2014年1月18日土曜日

三井記念美術館「国宝"卯花墻"と桃山の名陶」に行ってきました

文才が無いもので年を跨いでしまいましたが、
前回の続き。
次ぎは三井記念美術館の「国宝"卯花墻"と桃山の名陶」です。


国宝「卯花墻」はたしか3回目ぐらいの拝見してるはずで、実はそれよりも個人が所有している器が多く出展されているとの事で、初見の物が多いだろうと楽しみで、こちらが目当て。
織部も志野も黄瀬戸も瀬戸黒も全部好きなので、三館の中では一番楽しみにしてました^^


三館巡りも最後、三井記念美術館に到着しました。
(地下からぐるぐる階段上がってきたら方角が分からなくなりちょっぴり迷いましたw)


光悦展でも井戸茶碗展でもパンフレットを買ったので、もうカバンの重量がとんでもない事に…w
無理せず素直にロッカーを利用しました。

変わらずボールペンでスケッチしていたらスタッフに注意されちゃいました^^;
どうやらここではボールペンはダメで、鉛筆ならOKなんだそう…。
持ってない事を伝えると、簡易鉛筆をいただきました。

会場はそんなに広くなかったような…と入ってすぐの志野のエリアでじっくり拝見しつつ、程なく出てきた国宝「卯花墻」を箆目を見透かすぐらいスケッチしてたら、意外と時間が足りない事に…^^;
作品だけじゃなく、陶片もあったりと、もうホント見るもの見る物どれも勉強になるモノばかりでした。
結構、最後のほうでは急ぎ見る感じになったけど、まだまだ見てないいい器ってあるんだなぁとつくづく思いました。
会場は空いていて良かったけど、もう1時間、せめて30分欲しかったですね。
愚痴を言ってもしょうがないから、最後はショップでパンフレット買ってきました。


折角なのでフライヤーから作品の写真を。


重要文化財、志野茶碗、銘「広沢」


鼠志野檜垣文茶碗
こういう茶碗ってなかなか作れない…。
志野の風合いとかじゃなくて、器そのものの重厚さが活かされた作品と言うのかな…。
現代の電動ロクロで追い求めてもたどり着かないかもしれないね…。


紅志野撫子文鉢


瀬戸黒茶碗、銘「小原女」


利休瀬戸茶碗
利休さんが所持したと言われてるけど、利休さんの体格からすると非常に小振りで少々ビックリ。
それでいて485グラムあるのだとか…。
このドシッとした佇まいにこの重量感が必要と言われてしまえば返す言葉もないが、今の現代でこんな重さで作ったら未熟さ以外の何ものでもない気がしてしまう…。
当時の陶芸の技術がそうさせてしまったのかな~と思うが…。
いつかこんな存在感のある茶碗が作れるのかな~とあらぬ空を見てしまうけれども、ちゃんと解かってくれる茶人が居るのかな~とも思ってしまう。
原点回帰の念が強めなので、こういう茶碗と対峙すると利休さんはどんな人だったのか…お話したい気持ちになりますね。


黄瀬戸茶碗
フライヤーに載せるからだろうけど、いたって一般的な黄瀬戸の器。
もうちょっと通好みの黄瀬戸の器を載せて欲しかったところ…。
それでもこのきれいな黄瀬戸の発色と胆礬(たんばん)の緑色が見事。
当時の原子や元素の化学の知識、温度計とか何もなかった時代に、この焼成技術の高さには感心させられますね。
黄瀬戸は黄金好きの秀吉が金色に近い黄色の器を求め作らせた器じゃないかと加藤唐九郎さんが言ってるけど、本当にそんな気がしてくる。


織部
これも何度目かな…と言いながらまだ4回目かもしれない。
ドーンと存在感があって、大好きな器の一つ。
当時はどんな料理が盛られていたのか…。
上品な生活をしてないので想像も出来ないという…^^;


織部筋兜香合
展示入れ替えで結局お目見え叶わず…
一度見たような気もしないでもないけど、自分の作品も六等分にするデザインを取り入れてるので見れなかったのが残念…
またどこかで出会えることを楽しみに…


帰りは、機会があったら行きたいと常々思っていたイノダコーヒー東京大丸店へ。
カウンター席に促されてイスに腰を降ろしたら、どっと疲れが…^^;
パスタを食べるつもりが、食欲がなくなった感じでケーキとコーヒーに…。


このケーキがまた曲者で、出されたナイフでは上品にはとても切れず、ぐちゃぐちゃに形が崩れてやっと切れるという…w
コーヒーは見事に美味しいのに、汚く崩れたケーキで美味しさ半減…w
たいそうな名前のケーキだったけど、もう二度と食べないと思うw
これならもっと普通のケーキすれば良かったな…
楽しみにしていたイノダコーヒーなだけに非常に残念でした。

何だか後味悪いのでそのまま帰れず、これまた機会があったら行きたいと思っていた渋谷のヒカリエへ寄りました。
渋谷というか、東京の最先端はどんなのかな~と。
目指した先はヒカリエ8Fのd47へ。
知り合いの陶芸家の作品が置いてあったりと、47都道府県のあらゆる手仕事の作品に囲まれて美術館並みに楽しめた。

しばらく会ってない東京の友人には連絡せずに申し訳なかったが、この日は人生の中でものすごく贅沢な一日でした。

「茶陶三昧 三館巡り」と題された三館合同の企画自体はこれで終わりです。 ただもう一つ、今しか見れない、見なくてはいけない茶椀があるので、2013年最後に次なる美術館へ行きます。
(つづく)

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国宝"卯花墻"と桃山の名陶
2013年9月10日~2013年11月24日

三井記念美術館
東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階

おまけ:フライヤー